Azure Update Management (更新プログラムの管理)

Azure Automation の機能の1つに、更新管理機能があります。
Azure Automation のドキュメントはこちら

Azure の仮想マシンだけでなく、オンプレミスや他のクラウドサービスで利用している Windows サーバーや Linux サーバーのパッチ適用状況の確認と適用を自動化する無料のサービスです。


Azure Update Management でてきること


Windows サーバーと Linux サーバーの更新管理 (Windows 10 などのクライアント OS は対象外)
サポートされているクライアントの種類

オペレーティング システム
Windows Server 2019 (Datacenter、Datacenter Core、Standard)
Windows Server 2016 (Datacenter、Datacenter Core、Standard)
Windows Server 2012 R2 (Datacenter、Standard)
Windows Server 2012
Windows Server 2008 R2 (RTM および SP1 Standard)
CentOS 6 (x86/x64) および 7 (x64)
Red Hat Enterprise 6 (x86/x64) および 7 (x64)
SUSE Linux Enterprise Server 11 (x86/x64) および 12 (x64)
Ubuntu 14.04 LTS、16.04 LTS、18.04 (x86/x64)

管理対象にはエージェントをインストールする

管理対象には、Log Analytics と同じ、Microsoft Monitoring Agent をインストールする必要があります。

適用されている更新の評価

更新プログラムの管理を有効にすると、登録されているコンピューターの更新プログラムの評価が行われます。未適用の更新がある場合は、”準拠していない” と表示されます。

更新プログラム適用のスケジューリング

準拠していないサーバーに対して、更新プログラムの適用をスケジュールを作成することで自動化することができます。
1 度だけの実行も可能ですが、スケジューリングも可能です。
スケジュールは、時間、日、週、月 から選択できます。

インストールする更新プログラムを選択できる

更新プログラムの分類を選択できます。

また、含める / 除外する 更新プログラムも選択できます。

事前 / 事後スクリプトも組み込める

メンテナンス時間を指定できる

パッチ適用の時間を指定できます。メンテナンス時間に指定した最後の20分は再起動時間として確保されています。メンテナンス時間を経過した後は、対象ホストは再起動されなくなります。

メンテナンス時間が短かった場合は、警告表示されます。

更新プログラム適用後に、自動再起動するか選択できる

更新プログラムは自動適用し、任意のタイミングで再起動することもできます。

その他にもさまざまな機能がありますが、詳細はドキュメントの確認をお願いします。


Azure Update Management でできないこと


Azure Update Management は、更新プログラムの配信はできません。
更新プログラムは、WSUS や Windows Update にダウンロードしに行く動作となります。そのため、グループポリシーなどで設定する必要があります。

また、WSUS で配信許可されていない更新の適用は失敗します。


まとめ


Azure Update Management は、更新プログラムの適用を手動でする必要がなく、Azure ポータルからぽちぽちするだけで簡単です。

System Center の利用も必要なく、無料で簡単に利用を開始できるところが非常によいと思います。

Windows サーバーだけでなく、Linux サーバーの更新プログラムの適用も自動化でき、適用状況も Azure Portal から一目でわかるのも便利です。

エージェントをインストールすれば、すぐに使い始めれるのでぜひ試してみてください!

OMIMSWAC (OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center) の接続エラー

前回、OMIMSWAC のセットアップ方法を記載しました。

セットアップ方法は下記を参照してください。
OMIMSWAC (OPENMANAGE INTEGRATION WITH MICROSOFT WINDOWS ADMIN CENTER) のセットアップ

OMIMSWAC を利用して、WAC から ハードウェア情報を参照しようとした際のエラー対応です。


WAC から Dell EMC OpenManage Integration の接続エラー


WAC から PowerEdge サーバーのハードウェア情報を参照しようととした際に、以下のエラーに遭遇しました。

・エラー内容
ターゲットノードと通信できません。エラーの原因として、次のことが考えられます。
1、ターゲットノードが現在再起動している。または電源がオフになっている。
2、ファイアウォールが SMB ポート 445 を使用した通信をブロックしている。


接続エラーになった際の対応


私の環境では、今まで利用できていたのに突然接続エラーになるときがあります。。その際は、資格情報を再登録すると接続できるようになります。

1、WAC のトップ画面? に移動します。左上の ”Windows Admin Center” をクリックすると移動できます。

2、Dell EMC OpenManage Integration にエラーで接続できないノードを選択し、”管理に使用する資格情報” をクリックします。

3、OS にアクセスする資格情報を入力し、続行 をクリックします。

以上でエラー対応は終了です。

再度、Dell EMC OpenManage Integration にアクセスしてみてください。
すこし時間がかかりますが、

すこし待つと、エラーなく正常に表示されると思います。

ステータスが になっているのは、冗長 PSU の片系しか電源を接続していないからなので気にしないでください。。

OMIMSWAC (OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center) のセットアップ

OMIMSWAC (OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center) は Dell EMC が提供する Microsoft Windows Admin Center の拡張機能です。

Dell EMC OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Centerのサポート

この拡張機能を利用すると、WAC (Windows Admin Center) から Dell EMC PowerEdge サーバーのハードウェアステータスやインベントリーを確認することができます。

WAC も OMIMSWAC もどちらも無料で利用できます!

OMIMSWAC のサポートマトリックス


OMIMSWAC を利用するには、下記の ソフトウェアとハードウェアの条件を満たす必要があります。

ソフトウェア および ハードウェアバージョン
Microsoft Windows Admin Center 1904、1904.1、1910 GA リリース。
オペレーティングシステム Microsoft Windows Admin Center がサポートしている OS。
ターゲット ノードとしての PowerEdge サーバーiDRAC7、iDRAC8 および iDRAC9
(推奨ファームウェアバージョンあり)

詳細は、OMIMSWAC のインストールガイドを参照ください。

OMIMSWAC インストールガイド

OMIMSWAC のセットアップ


サポートマトリックスに記載された環境の準備ができたら、WAC にOMIMSWAC をインストールします。

iDRAC から ”OS から iDRAC へのパススルー ” のセットアップ


WAC から iDRAC を操作する際、PowerEdge サーバーにインストールした ホスト OS から iDRAC にアクセスします。この機能は、 ”OS から iDRAC へのパススルー ” 機能を利用して実現します。

1、iDRAC にログインし、”iDRAC設定” – ”ネットワーク” – ”OS から iDRAC へのパススルー” を選択します。

2、”USB NIC” を選択し、適用します。

3、ホスト OS に USB NIC が作成されたことを確認します。
デバイス名は Remote NDIS Compatible Device と表示された アダプターです。

OMIMSWAC のインストール


OMIMSWAC を利用するための iDRAC 設定が完了したら、WAC に OMIMSWAC をインストールします。

1、WAC にログインし、設定から拡張を選択します。

2、利用可能な拡張機能から ”Dell EMC OpenManage Integration” を選択してインストールします。インストールが完了すると、WAC が再起動します。

3、インストール済みの拡張機能の一覧に表示されます。

OMIMSWAC にアクセス


インストールが完了したら、WAC から ハードウェアの情報を確認します。

1、WAC にアクセスし、対象のノードを選択します。

2、ツールの一覧から、一番したにある 拡張機能 より ”Dell EMC OpenManage Integration” を選択します。

3、ハードウェア情報が表示されます。表示完了まで少し時間がかかります。

正常性ステータス
ハードウェアインベントリー

まとめ


OMIMSWAC のインストールが簡単で、iDRAC にアクセスすることなく WAC からハードウェアの正常性やインベントリー情報を確認することができます。

OS や 仮想マシンだけでなく、ハードウェアのステータスも WAC だけで確認ができるようになるため、管理をシンプルにできるのがメリットですね。

iDRAC の IP アドレス情報も WAC から確認できるので、iDRAC の仮想コンソールアクセスしたい場合でも、iDRAC の IP アドレスを確認する必要がなくなるのもメリットかと思います。

WAC も OMIMSWAC もどちらも無料で使えるので、ぜひ試してみて下さい!

WAC のインストールはこちら

WACのドキュメントはこちら

OMIMSWACのドキュメントはこちら

OMIMSWACのインストールガイドはこちら

OMIMSWACのユーザーズガイドはこちら

Azure の SLA について

Azure の SLA には 3 つの特性がある。

1、パフォーマンスの目標
2、アップタイムと接続性の保証
3、サービスクレジット

なお、無料や Shared で提供されているサービスについては、SLA を提供していません。無料の Azure AD や Azure Adviser は SLA 対象外です。

アップタイムと接続性の保証

保証する SLA の % により、どれくらいの稼働時間が保証されているかを知ることができます。
99% のSLA でも 1週間あたり 約 1.7 時間のダウンタイムが発生しても保証されないサービスとなります。意外と長く感じますね。

SLA %週あたりのダウンタイム月あたりのダウンタイム年あたりのダウンタイム
991.68 時間7.2 時間3.65 日
99.910.1 分43.2 分8.76 時間
99.955 分21.6 分4.38 時間
99.991.01 分4.32 分52.56 分
99.9996 秒25.9 秒5.26 分

サービスクレジット

Azure 障害の影響で利用しているサービスにダウンタイムが発生した場合、SLA で定義された時間以上のダウンタイムに対してはサービスクレジットが提供されます。
提供されるサービスクレジットは、月間のダウンタイム時間により決定します。
受け取ったサービスクレジットにより、次回の Azure 利用料の支払いから割引されるかたちになります。

月間アップタイム率サービス クレジット率
99.9 未満10
99 未満25
95 未満100

Azure Stack HCI のパフォーマンス履歴 と Azure Monitor

Azure Stack HCI で、パフォーマンス履歴 (Performance History) と Azure Monitor の利用についてお話させていただきました。

S2D (Storage Spaces Direct) を有効化すると、パフォーマンス履歴も既定で有効になります。下記のパフォーマンスを最大400日前まで確認することができます。


収集される情報

1、物理ディスク
2、物理アダプター
3、クラスターノード
4、クラスター
5、仮想マシン
6、VHD ファイル
7、CSV ボリューム

パフォーマンスモニターを利用しなくても、リソースの使用率や ディスクIO を確認できますので、試してみてください。


Azure Monitor


また、Azure Monitor を使うと簡単にサーバーを監視することができます。
SCOM などを利用することなく、OS や物理サーバーの死活監視をできます。
メール通知だけでなく、SMS や Webhook などによる通知も可能です。
Windows Admin Center を利用すると簡単にセットアップできるので、ぜひ試してみてください!